初物はもうダサい

 最近、「日本初」「世界初」というような”〜初”というキャッチフレーズが、ダサく感じるようになった。私は、自称、キャズム論(*1)でいうところの、アーリー・マジョリティーに属する消費者であるが、3〜5年程前は、結構、「日本初」「世界初」という言葉に消費意欲が掻き立てられたと記憶している。

 ”〜初”という言葉が、何故ダサくなったのだろうか。理由としては、以下の3点が考えられる。全ての商品・製品がこの傾向を辿っているようである。

(1) 消費者の情報収集力の向上
  −製品に関する情報の交換サイトの充実化(製品情報を扱うインフォミディアリ(情報媒介業/者)の増加)
(2) 製品の機能性が充実してきており、製品ライフサイクルの終焉に近づいている
  −市場にモノが溢れ、初物の価値が薄くなってきている
(3) ”〜初”という言葉自体が、マンネリ化により、効力を持たなくなって来た

 一番大きいのは、(1)で、消費者が成熟してきており、真の創造性・独創性を見極める眼力がついてきて、「日本初」「世界初」といった言葉に惑わされる事なく、真にニーズまたはウォンツ(*2)を満たすものを選択できるようになってきているということではないだろうか。”〜初”というキャッチフレーズだけではなく、旧来のキャッチフレーズ全てに当て嵌まることではないだろうか。

 今後は、マーケットでは、的確に消費者心理をとらえるようなキャッチフレーズのイノベーションが重要になってくるのでは、ないだろうか。また、技術経営では、これまで以上に、ニーズ・ウォンツのキャッチ及びシーズとのマッチングが重要になっていくのではないだろうか。