auはキャズムを越えるか

 [N]ネタフル経由で以下の記事をキャッチした。

auはトレンドか、ブランドか?

 「auのブランド力はドコモと対等」と考えるのは短絡的だろう。なぜなら今のauの強さには、「auはセンスのいい選択」というユーザーの気分が多分に影響しているからだ。現時点では、au人気はユーザーと市場の雰囲気による、一過性のトレンドである可能性も否定できない。

 この発言は、KDDI au事業企画部マーケティング統括部ブランド戦略グループリーダーの和泉一波次長の発言であるが、確かにそのとおりであると思う。デザインをDocomo、Vフォンと比べるとINFOBARをはじめカッコイイ端末や、コンパクトさで一段と目を引いており、長期的な人気というより、新しい物好き層(Innovator&Early Adoptor)の飛びつきといった一過的な人気である可能性が強い。また、私自身の経験上、VフォンやDocomoと比較して、CDMA1Xという3G携帯(正確には、CDMA1X WINが3G携帯であるが…)は、電波が良く届き、通じ難いエリアがほとんどないのがウリであると思う。VフォンやDocomoは、真の3G携帯にこだわりすぎて、次世代携帯の市場の確保が後手になり、auに食われた格好であるようだ。auのブランドとして定着し、キャズムを越えられるかどうかは今後の高品質・低価格な商品及びサービス開発にかかっているといっても過言ではないだろう。

キャズム:ご参考】
ブログはキャズム(ハイテクの落とし穴)を越えてブレイクするのか?
 

 反面教師になるのが、現在のボーダフォンである。同社はJ-フォン時代に写メールでトレンドになり、高感度ユーザー向けのブランド獲得までは成功した(2002年4月の記事参照)。しかし、社名とブランド名をボーダフォンに変更し、料金プランやサービス内容の改変を繰り返す事で、「信頼の醸成」段階で失敗。J-フォン時代の成果を少なからず振り出しに戻してしまった。

 思うに、JフォンがVフォンに変わり、全国統一の料金プランを導入したあたりから、おかしくなったような気がする。あまり、イタズラに料金体系を変えた結果、顧客からコンセサンスが得られなかったのがVフォン離れを加速した一因となったと思う。