コマーシャリズムの薄い販売促進方法

★ 原宿に生まれる「新しいストリート」、KDDIの新スポットが誕生

「お客様と直接接して、目に見えるように」(藤本氏)することを狙って、KDDIは、東京・原宿に「KDDI DESIGNING STUDIO」(Kスタ)を建設、3月4日10時にオープンさせる。藤本氏は今回のKスタについて「コマーシャリズムを出さない」ことを目標に掲げていた、と説明。KDDIと人々の架け橋となることを狙いつつ、 KDDIの宣伝色が強く、館内が閑散としていたら逆効果であるとして、誰でも気軽に立ち寄れる、「竹下通りに続くストリート」(同)のような場になることを目指しているそうだ。
「コミュニケーション」「マーケティング」「コラボレーション」をコンセプトとし、さりげなくKDDIのサービスに触れてもらい、触れてもらいながら出た感想などをさりげないマーケティングデータとして活用、アーティストから研究者などと共同でビジネスモデルやコンテンツを生み出す--そんな活用を図りたい意向だ。「さりげなさが大事」と藤本氏は表現する。

 訪れた人が、体験し、楽むことを通して出た感想をマーケットデータとして生かす、新しいタイプのイタラクティブなマーケット拠点として、注目したい。
 特に、コマーシャリズムが薄く、訪れた人とスタッフとの間の垣根が低くなるよう最大限の配慮がなされている点がすごくいい。また、訪れた人が自然に感じた事をさりげなくフィードバックさせていくことが出来るような点もすごくいい。

 Kスタは、内部に螺旋状のスロープを設置、ユニバーサルデザインしそうに基づいた動線を確保。いわゆるハートビル法(高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律)に基づく東京都のハートビル条例に適合したバリアフリー設計、3R(リサイクル/リユース/リデュース) に配慮した工法など、建物自体にもこだわった。

 また、ユニバーサルデザインにも配慮している点には、感心した。消費者予備軍に最大限の配慮を行い、好感度をアップする事で、購買欲をかき立てるエモーショナルなマーケット戦略の存在を感じた。