InnovationからRenovationへ

 SW's memo経由で以下の記事をみつけた。

InnovationからRenovationへ

Oracleの元社長・Ray Laneのインタビュー記事です。

IT業界の未来については、世間には大きく二つの見方があるのではないかと思っています。一つは、「IT Doesn't Mater」、つまり、ITは既にコモディティ化しており、技術そのものがユーザー企業にとっての優位性をもたらすものではなくなった、という見方。もう一つは、いやいや、まだまだITが解決できるビジネス上の課題もあるんです、という見方です。


IT業界で働く私としては、後者の描く未来がやってくることを信じたいのですが、

Today, the post-bubble software industry is beginning to come around to Lane's way of thinking: Renovation, not innovation, is what's important.
に現れているように、どちらかというとITコモディティ化説に近い考えを持つLane氏のインタビューから、興味深いところをご紹介しつつ考察してみたいと思います。

The biggest challenge to him is in reorganizing his systems. Changing those systems is not easy. The more technology we have installed, the harder it is to change your business.
今日の企業の問題は、「システムを再組織化すること」であり、既にたくさんの技術を持っている企業にとって、システム・ビジネスのやり方を変更するのは大変なことだ、と、指摘しています。

Now, customers are looking for simplicity, integration and security across releases. They want standards-based software that doesn't require the labor expenditure of the past. Software CEOs have two choices: They can try to impose their proprietary methods on the market or they can adopt a new service-based approach to providing and maintaining software.

なので、顧客は、シンプルなものを求めている。このニーズに応えるために、ソフトウェア企業が取りうる二つの戦略−従来どおりの独自仕様・囲い込み戦略か、サービス・ベースのアプローチ−がある、とのこと。

この記事では、これ以上サービス・ベース・アプローチについて述べられていないので、彼の言わんとするところは推測するしかありませんが、2度目の波が来ていると言われるASPや、SOA (Service Oriented Architecture) 等が、それに相当すると考えられるでしょうか(実は、2004年のトピックとして、この二つは追うべきかな、と前から密かに思っていたんです。SOAは、私にとってはやや具体性に乏しい気がして、どう掘り下げたものか悩んでもいたのですが)。

 a new service-based approach to providing and maintaining softwareと言うのが今後のキーワードと思われる。グリッドや、Webサービス、ユーリティコンピューティングなど、製品アーキテクチャは、統合化する傾向があり、顧客が自分で導入やメンテナスを行うのには、いささか巨大なシステムであり、企業としては、サービス製品として、提供する機会が増大すると言いたいのだろう。