InnovationからRenovationへ
SW's memo経由で以下の記事をみつけた。
☆ InnovationからRenovationへ
Oracleの元社長・Ray Laneのインタビュー記事です。IT業界の未来については、世間には大きく二つの見方があるのではないかと思っています。一つは、「IT Doesn't Mater」、つまり、ITは既にコモディティ化しており、技術そのものがユーザー企業にとっての優位性をもたらすものではなくなった、という見方。もう一つは、いやいや、まだまだITが解決できるビジネス上の課題もあるんです、という見方です。
IT業界で働く私としては、後者の描く未来がやってくることを信じたいのですが、
Today, the post-bubble software industry is beginning to come around to Lane's way of thinking: Renovation, not innovation, is what's important.に現れているように、どちらかというとITコモディティ化説に近い考えを持つLane氏のインタビューから、興味深いところをご紹介しつつ考察してみたいと思います。The biggest challenge to him is in reorganizing his systems. Changing those systems is not easy. The more technology we have installed, the harder it is to change your business.今日の企業の問題は、「システムを再組織化すること」であり、既にたくさんの技術を持っている企業にとって、システム・ビジネスのやり方を変更するのは大変なことだ、と、指摘しています。Now, customers are looking for simplicity, integration and security across releases. They want standards-based software that doesn't require the labor expenditure of the past. Software CEOs have two choices: They can try to impose their proprietary methods on the market or they can adopt a new service-based approach to providing and maintaining software.なので、顧客は、シンプルなものを求めている。このニーズに応えるために、ソフトウェア企業が取りうる二つの戦略−従来どおりの独自仕様・囲い込み戦略か、サービス・ベースのアプローチ−がある、とのこと。
この記事では、これ以上サービス・ベース・アプローチについて述べられていないので、彼の言わんとするところは推測するしかありませんが、2度目の波が来ていると言われるASPや、SOA (Service Oriented Architecture) 等が、それに相当すると考えられるでしょうか(実は、2004年のトピックとして、この二つは追うべきかな、と前から密かに思っていたんです。SOAは、私にとってはやや具体性に乏しい気がして、どう掘り下げたものか悩んでもいたのですが)。
a new service-based approach to providing and maintaining softwareと言うのが今後のキーワードと思われる。グリッドや、Webサービス、ユーリティコンピューティングなど、製品アーキテクチャは、統合化する傾向があり、顧客が自分で導入やメンテナスを行うのには、いささか巨大なシステムであり、企業としては、サービス製品として、提供する機会が増大すると言いたいのだろう。