オープンソース版.NET「Mono Beta1」がリリース

 Windowsでしか動かない.NETがいよいよLinuxでも本格的に動くようになったようだ。.NETは、Javaと同様マルチプラットフォームで動くプラットフォームアーキテクチャだが、自社のOSのシェア保持の関係からか、MicroSoft社は、他OSへのポーティングには消極的だった。しかし、ECMAという標準化団体に.NET及びC#の標準規格案を提出しているため、他社がこれを実装する事は実質的に可能な状態になっていた。他力本願MicroSoft社の姿勢は、擬似オープン化戦略とも言えよう。

オープンソース版.NET「Mono Beta1」がリリース

Monoプロジェクトは4日、Microsoft .NET開発プラットフォームのオープンソース版「Mono Beta1」をリリースした。2001年7月に発足した同プロジェクトは、Linuxを含むUNIX系OSWindows(XPなどNT系)を対象に、C#やC、C++PascalCobolといったさまざまなコンピュータ言語に対応する.NET互換環境の実現を目指している。Monoを利用することにより、デベロッパWindowsUnix/Linuxの両方で動作するアプリケーションの開発が可能になる。

.NETはMicrosoftが開発した技術だが、Javaを意識したとも言われる新しいプログラミング言語C#」などその仕様はオープンにされているため、Monoのようなクローンの成立する余地がある。GUIアプリケーションだけでなくWebサービスなど企業向けの開発環境となりうるため、.NET互換環境をUNIX/Linux上に実現するMonoは、Linuxを中心としたビジネスモデルを確立しようとするNovellの重要な戦略の1つと目されている。