Web2.0の罠(その2)

私のWeb2.0に対する個人的見解は、以下の通りと考えています。

Web2.0は、工業社会からの情報社会への変遷の過渡にある現象の1つである。
しかし、情報社会が名実共に確率した場合、Web2.0は意味あるモノとして基幹技術となる。
ただし、過渡期にある現在は、一部のヘビーユーザやヘビー企業の自己満足のためのおもちゃにすぎない。
価値の重点が、物・サービスから、情報へ移った時点でパラダイムシフトが生じ、
初めて情報社会が成立するのではないか。
少なくとも、現時点では、情報に価値を置く者、置かない者が分かれる現時点では、
とらえどころが無くて曖昧であやふやで不安定なものでしょう。

このパラダイムシフトがどこから生じるのかということを考えてみたいと思います。

インターネットをビジネスモデルから、以下の3層モデルに分けてみます。

(1) アプリケーション層(Webアプリやブラウザなどで情報をどのように見せるか)
(2) ネットワーク層(ネットワーク構成により情報をどのように運ぶか)
(3) データ層(データをどのように蓄積するか、データからどのように情報を生み出すか)

これまでのWeb2.0は、(1)に重点が置かれて議論されていたが、
実は、(3)もあり、これがパラダイムシフトの重要なキーワードではないか。

前回のエントリ
Web2.0の罠 - β. (Bee’s Blog)
では、
GoogleなどのWeb2.0企業は、矢継ぎ早に先端技術を開発し、新しいサービスを提供しており、
(1)のアプリケーション層ばかりに、目がいってしまいがちだが、実は、重要なのは、
(3)のデータ層であり、この錯覚に陥ってしまう点が罠だと言いたかったのです。

./では、以下のような興味深いエントリがあり、私の考えていることとかなり近いことが、
書かれていたので、引用したい。

なぜ、YouTubeMySpaceGoogleなどWeb2.0が巨大なリソースを導入してサービスを
提供し続けるのか、その答えは、データ・情報・マーケッティングにあるということを示唆している。

Why Web 2.0 Will End Your Privacy - Slashdot

When marketeers know who your friends are and what you are all into, it makes their advertising a lot more effective. From the article: "Why are the companies worth so much money? Why is MySpace worth over half a billion dollars without a proper revenue model? Why is Digg allegedly pitched at over $20m (at the last count) without any idea of where money is going to be pulled from? The answer is - data. Information. Marketing. Every detail about you and me. That is where the money is.

データを集め、そこからイノベーションにより、価値ある情報をどのように生み出していくのかが、
Web2.0を成長させる大きなカギではないでしょうか。

利益の源泉は、アプリケーションにあるのではなく、データにあると言うことを気を付ければ、
Web2.0バズワードに留まることなく、ビジネスとして確立するのではないでしょうか。

ただし、データから価値ある情報を生み出すことが出来なかったら、Web2.0バブルとなる可能性が
大いにあると考えています。

また、Web2.0には副作用があり、

(1)情報のコントロール権のユーザ側への転移
(2)プライバシーの損失
(3)セキュリティの低下

という問題点をどのようにクリアしていくかが、カギであると考えています。

大元の文章は、以下のURLにあり、一読されることをお勧めします。
Why Web 2.0 will end your privacy | bit-tech.net