インターネット界のジレンマ

 インターネット界がジレンマ状態に陥っている。Googleなどのサービスプロバイダは、インフラを最大限に利用して、サービスを拡大したいのだが、ネットワーク事業者にとっては、設備投資がかさみ、収益率が低下し、事業が成り立つかどうか危うい状態になってきているように感じている。(具体的なデータがないのであくまでも推測ですが)Googleとしては、新しいサービスを提供することで、価値を高めていく必要があるのだが、ネットワーク規制をかけられると、新しいサービスを提供出来ないところが、既存のサービスも提供出来なくなる危機感があるのではないか。このままいくと、やばいのではないかと思う。

CNETでも、その危惧感を訴えたエントリがあった。

ネットの増殖力を奪うネット中立性 - CNET Japan

禁止が義務づけられると2つの重大な問題が生じる。第一に、こうした本質的にあいまいな言葉の意味をめぐって訴訟がて長期化し費用もかさむことになる。法令違反であるとされる無数の事例に対して、サービスプロバイダー側も何とか規制にパスしようとサービスを修正するため、裁決、再裁決が繰り返されるからである。第二に、こちらのほうが根本的な問題だが、ネットワーク設備の所有者はすべてのアプリケーションやコンテンツのプロバイダーを均等に、つまり中立的に扱わなければならないという概念は、われわれが望む競争市場のあり方と基本的に矛盾する。新しい製品やサービスに対する消費者の評価は、市場における差別化の試行錯誤のプロセスを通して形成されてゆくものである。差別化する自由を奪ってしまうと、有効な競争の基盤が損なわれてしまう。

 そして、もう1つ。

 ネット中立性を強制的に実施すると、実は、継続的な訴訟によって先行きの不透明感が増大し費用がかさむと同時に、ネットワーク事業者が自社サービスの差別化によって需要を喚起するようなビジネスを展開できなくなるため、インターネットの技術革新が抑圧され、投資も減少することになる。つまり、ネット中立性は実現しても、同時にネットは去勢されたも同然となり自己増殖力を失うのである。


ジレンマに陥っている間に、破壊的イノベーションが誕生していれば良いのだが、そうでもなければ、ネットは去勢されたも同然となり自己増殖力を失ってしまう可能性がある。

 政府は、この点について、もっと真剣に解決方法を話し合う必要があるのではないか?