アフォーダンス

 アフォーダンスという用語をご存知だろうか?

情報デザインの基本 - アフォーダンス -

 アフォーダンス(affordance)という言葉は、afford(〜ができる、〜を与える)という単語からジェームス・ギブソン(James J. GIBSON、1904 - 1979、米)が1960年代に表わした造語である。一言で言えば「環境が動物に提供する情報や価値」という漠然としたものである。これまで知のプロセスを解きあかそうとする試みは様々に行なわれてきている。特に心理学の分野で盛んに試みられている。このアフォーダンスもその一つであるが、知のプロセスを新たな視点から明解に表わしているものとしてその影響は大きい。

 簡単な例でいえば、釘は、一端が円盤になっていてもう一端が尖っているので、直感的に円盤を叩いて、尖っている方を何かに差し込むということが理解できるというケースがある。これは、釘の持つ形状が人間に使い方を発している例であり、アフォーダンスの例である。

 このアフォーダンスを応用すれば、ソフトやWebのデザインも細かい説明無しに直感的に操作できるようにすることが可能であると思われる。環境の持つ特性を上手に利用して、ユーザーに情報や価値を提供すると言う試みは、ユニバーサルデザインにも効果があるように思う。これまで、ユニバーサルデザインは、至れり尽せりのデザインという感じだったが、アフォーダンスという見方を導入する事により、自然なデザインになるような気がする。今後の発展が楽しみな分野である。