テクノラティジャパンに期待すること

 新型検索サイト会社のテクノラティ・ジャパンの立ち上げに関わった伊藤穰一氏と、米テクノラティの創業者兼CEOであるDavid L. Sifry氏のインタビューがCNETに掲載されていた。新型検索サイトとは、Weblogに特化した検索サイトということで、敢えて従来の検索サイトとは、別のタイプに分類できると思ったので、【新型】というキーワードを入れている。
「グーグルで探せない生情報が見つかる」--テクノラティを開発した理由 - CNET Japan

 Technoratiの日本法人テクノラティジャパンは、7月1日にブログ検索サイトの日本語版「テクノラティ」を正式リリースしたばかり。Sifry 氏はこのサービスの特徴について、「ブログ記事が投稿されてから平均して約7分後にはTechnoratiで検索可能となるため、Googleでも探しきれないような新しい情報が見つけられる」としている。現在トラッキングしているブログ数は1150万にのぼっている。

 3ヶ月ほど前、β版を使ったときは、トラッキングしているブログ数が少なかったためか、試しに、"besus"というキーワードを入れたのだが、検索結果がしょぼかった。(^^;;)先ほど、再度検索したところ、7件ヒットしたので、まずまずの結果だ。今後、検索精度が向上していくのが楽しみである。

 伊藤氏からは、この業界では、定番の「ロングテール」のキーワードが出てきた。

 伊藤氏は、ブログが果たす役割が、特に「ロングテール」部分において大きいとした。ロングテールとは何なのか。例えば、ウェブで検索されるキーワードランキングを棒グラフ表示した場合、ランキングのトップ部分はグラフの頭が飛び抜けているが、その飛び抜けている部分は全キーワードランキングの中ではほんの一部に過ぎない。他の大多数のキーワードは、グラフの全体図で見ると背の低い「しっぽ(テール)」の部分にあたり、検索される頻度はそれほど高くない。しかし実際にはそのテール部分のキーワードの種類は非常に数が多いため、その数に比例してグラフのテールも長くなる。つまり、人々が求めている情報の多くはロングテール部分にある、という現象を説明する際に使われる言葉だ。

 確かにGoogleで検索しても欲しい情報や役に立つ情報は、TOPにランキングされるサイトではなくて、2ページ目や3ページ目以降に載っていることが多い。Bloggerがインフォミディアリ(Infomediary:情報仲介業)の働きを果たし、そのアウトプットである、Blogは、精度の高い情報が集約されていることが多い。これを検索した結果が、GoogleのようなHP検索サイトよりは、検索精度が高いという主張なのだろう。なるほど、これは言えていると思う。ある意味では、セマンティックWebBloggerのような人手によって実現していると言えると思う。ただし、後でも述べるが、日本でのブログ特化型検索サイトが果たして今後伸びていくかは、多少疑問がある。

 Sifry氏は、ブログの情報の信憑性について、以下のように述べている。

 Sifry氏は、チャットや掲示板に比べて、ブログは匿名性が低く、各個人の素性がわかる場合も多いため、「ブロガーは責任を持って発言する」としている。さらに、「掲示板のように間違った情報や暴言を吐くことがあっても、それは本人の責任で書き込むわけで、間違っているとわかれば謝罪することもある」とSifry氏。

 これは、あくまでもアメリカの様なオープンな文化での話であって、日本のような匿名文化がはこびっている日本では、Blogの信憑性が有ると言えるのは、アルファブロガーのBlogのような社会的地位を得たBlogに限られ、ベータブロガー以下のBlogでは、かなり低いと言わざるを得ないのではないだろうか。有効なコンテンツ数で言えば、アメリカと比較して乏しい日本では、ブログ特化型検索サイトを使用する機会はさほど多くないのではないだろうか。検索ユーザーが真の意味で欲しい情報を手軽に手に入れることができるよう、より一層の利便性を向上していくことを期待している。