将来のWeb

OSSからGoogleまでつながるモノがあったので、エントリします。

 まず、yusukeさんのエントリ【プロダクトのオープン性。ユーザーを競争相手から開発者に】に、ヒントが有りました。yuusukeさんの考えていることは、私と極めて近いようで、ちょくちょく拝見しており、今回もピピピッとくるモノがあったので、引用します。(笑)

http://www.arclamp.jp/blog/archives/000683.html

 コモディティ化によって企業はジレンマを抱えています。コモディティ化の波を受けない高級な製品を作れば売れなくなり(EJB)、かといってまともにコモディティ化の波を受ける製品を作る訳にはいかない(DIコンテナ)。しかも、高級な製品をオープンソースにしたところでオープンになるわけではない(いまのところ成功者はEclipseのみ)。

 イノベーターのジレンマよりも難しいでしょう。コモディティ化で競争相手となるのは、実はユーザーでもあるコミュニィティなのです。彼らに人気を得るためには儲けられず、儲けようとすれば人気が出ない。

 であれば、彼らのための土俵を提供し、彼ら自身に開発をしてもらうという戦略は正しいと感じます。つまり、プロダクトベンダーに取って、ユーザーとは、

 昔: プロダクトを使う人
 今: プロダクトの競争相手
 未来: 一緒にプロダクトを作る開発者

となっていると考えられるわけです。

 さらに開発されたものが流通する事で健全なエコシステムが作り上げられます。

 将来は、会社と顧客の垣根が撤廃され、競争ではなく共創していく方向にシフトしていくのではないかと考えてます。なぜなら、現在は、多くの製品が、Web上で稼働することを求められており、Webアプリという形、即ち、モジュール・コンポーネントという形で製品が開発されることが増えて行くと思われるからです。

 モジュール形態は、インテグラル形態とは違って、一般的にオープンにしやすいので、自然と(或いはマーケット界の圧力により)オープン化が進むのではないでしょうか。その一方で、付帯サービスや、オープンソースに何らかの付加価値を付けて、差別化した製品を出していくなど、色々なパターンへとパラダイムシフトしていくのではないでしょうか。
(既に、そういう潮流は現れていると思いますが)

 インターネットをプラットフォームとして企業やユーザーに対して様々な価値を産み出していくバリューチェーンとしてのエコシステムが形成されてきていると思います。企業にとっては、Webアプリ技術を産み出して製品化し、競争力の源泉となり、ユーザーにとっては、Webアプリ製品を使用することで、より楽に情報を収集・加工することができるということで、利便性の確保となるという繋がり、それがバリューチェーンだと考えています。これらを、総体的に捉えて、エコシステムとなると考えています。

 Googleは、インターネットが普及する前から、このエコシステムの基幹となる検索(=インフォミディアリ:情報媒介業)技術に集中的に投資をしており、エコシステムの成長自体が成功の証だとなっていると思います。ただし、インターネット上のコンテンツに価値があるという前提で、このエコシステムが成り立っている点には注意が必要だと思います。

 このコンテンツの価値の寿命について、最近、色んなところで、近い将来寿命がやってくるという話を、ちらほらと見かけるようになりました。インターネットの普及により重複した情報があちこちに拡散し、シノニムが増えてしまい、ユーザーにとって、真の意味で役に立つ情報を得ることが難しくなって行くため、コンテンツ自体の価値が下がっていくということだったと思います。

 そう言った中で、Web2.0のように、機械が意味ある情報を収集しやすくするための規格が必要になってきて居るんだと思う。以前のエントリでも書いたように、今後は、インフォミディアリは、Webアプリではなくて、ハードウェアまたはソフトウェアでインプリされるようになってくると考えている。現在の通信速度がいくら向上しても検索速度が向上しないことには、意味がないでしょう。

★以前のエントリ
インターネットの将来 - β. (Bee’s Blog)

 将来はインターネット経由で情報を収集するというよりは、まず情報を特定の箇所に集中蓄積させ、そこで、スパコン並みの能力で情報検索を行うようなシステムが出来るのではと想像している。そいった意味では、インターネットの普及により、ダウンサイジングしてきたが、これからは逆行してアップサイジングにより、メインフレームが復活するのではないだろうか。

 私と全く同じ事を考えていた人が居たので、引用します。

http://blog.picsy.org/archives/000307.html

【Web3.0 ASP SP】
Web3.0とはASP SP(Application Service Provider Service Provider)である。開発者は、サーバー上のあらゆるデータを使ってソフトウェアを開発することができる。
     :
ただしASP SPには性能とセキュリティという大きな問題がある。
     :
以上のような問題をはらみつつ、ASP SPは開発者にとって夢のような環境である。

1.すでに存在するソフトウェアをそのまま再利用できる。インストール作業も必要ない。
2.個人データを含む膨大なデータを再利用できる。
3.サーバーやネットワークなどのハードウェアの管理が必要ない。

ソフトウェア開発者は文字通り徒手空拳で、ほんのちょっとの手間で新しいソフトウェアを開発・実行することができる。しかも、Web2.0とは違い、既存のユーザベースをそのまま誘導することができるのだ。

おそらく、Web3.0に最短な企業はgoogleである。gmail広告の「機械はデータを読むが人はデータを読まないのでセキュリティ上安心なテキストマイニング」という概念は、あともう少しでWeb3.0に到達する。

あれ、これってメインフレームじゃん。。。

あたり。

かつて古代ギリシャの歴史家ツキジデスはいったのです。
「歴史は繰り返す」と。

 OSSから、Googleまでつらつらと書いてしまいましたが、いかがでしょうか?