ブルーオーシャン戦略を取るMicrosoft社

 MSの戦略転換が、Googleを脅威に感じているというエントリが最近やたらと目立つ。個人的には、ちょっと違うのではと思っている。

「グーグルはマイクロソフトの脅威となるか」--ウェブで議論白熱 - CNET Japan

 現在のウェブ技術でも十分存続可能なプラットフォームになり得ると感じる人が居るそうである。この話は、過去にも同じようなセンセーショナルを起こしたが、結局立ち消えとなったようである。

 Microsoftは、過去にも何度かこのような劇的変化の可能性に直面したことがあった。最も古いところでは、1995年に書かれたあるメモの中で、ウェブが次世代プラットフォームになる可能性があることや、この分野で技術革新を進めなければ、Microsoftが市場をコントロールする力を失う可能性があることに対する同社幹部らの懸念が明かされていた。だが、Googleがさまざまなサービスを登場させつつあるなかで、業界観測筋のなかにはこうした可能性が現実化しつつあるのではないかと考え始めた者もいる。

だが、ウェブ技術は、所詮、Windows, LinuxなどのOSの上で稼働するシロモノに過ぎない。Googleは、Web上で動くものは、何でも手を出しているようであるが、それは、OSが無いと動かないのである。むしろ、Microsoft社は、ブルーオーシャン的に、Googleとは同じ土俵には乗らず、自社製品をネット時代に適応させているだけだと考える。サーチエンジンなど、かち合う分野もあるが、対抗するというよりは、包括的な製品群を揃えているだけのように見える。(注:もしかしたら、将来、Googleよりも優れた検索技術をサポートし、対抗し始めるかもしれないが、少なくとも今は、その気配が見られない)

 私と、同じようなことを考えている人が居たので、引用する。

Cybozu.net

 私が個人的に Microsoft の行く末に関して持っている見方は、この IBM の前例のように様々な軌道修正をしながら、そしてインターネットとはある一定の距離を保ちながら Microsoft のあり方を模索していくのではないか、というものです。

 つまり、Googleが脅威なのではなくて、ユーザーのライフスタイルがネット中心にパラダイムシフトしており、そこに存在している収益源をキャッチするため、戦略変更したのであって、GoogleMicrosoftの製品群のシェアを脅かすようなことはないでしょう。あくまでも、Googleは、WindowsのOSがあることを前提にして成り立つ産業、つまり、インターネットというインフラの上で形成されているエコシステムの上でのサービス企業であって、Microsoftとは共存していく関係にあると考えています。少なくとも、現時点は、そう思っています。