メディアにおけるデバイド

メディアにおけるデバイドには2通りある。

(1) リッチメディアにおけるデバイ
(2) サブメディアにおけるデバイ

リッチメディアとは、
★リッチメディア(e-word)

データ量の少ない文字や静止画だけでなく、音声や動画など様々なメディアの情報を統合して扱うこと。

のことで、ネット接続環境がナローバンドの人や、ソフトウェア環境が低機能な人にとっては敷居が高い。パソコンなどに搭載されているCPUは、ムーアの法則に従って、年々高機能になっている。メモリなど周辺装置も含めたハードウェア全般の性能も高機能になってきている。それに伴い、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションのソフトウェアも高機能になってきている。

企業によるハードウェアやソフトウェアのハイエンド化による収益源の追求には、多くの場合、こういった非富裕層にとっては弊害が発生する場合が多い。
ハードウェアが高機能になるにつれて、本来、マーケットの原理では、量産により、価格が下落するはずである。しかし、実際は価格が保持される傾向にあるため、なかなか非富裕層には、手が届かない価格である可能性が高い。また、ソフトウェアが高機能であるため、メニューが多くの階層になったり、使い方が複雑になったりと、初心者にとっては、敷居が高いものになってきている。また、マニュアルなどの説明内容の量も多くなってきており、やりたいことをすぐに見つけることが出来ない状態になってきている。こういった現象をリッチメディアにおけるデバイという。

初心者だけでなく、低所得者が多い障害者・高齢者にも障壁となっている。ハンディによる操作の制限があるため、使いこなせない可能性が大いにある。

サブメディアとは、筆者の造語であるが、派生したメディアを意味する。例えば、以下のようなスラングが挙げられる。


(1) AA(アスキーアート)
(2) 顔文字
(3) ギャル文字

アスキーアートとは、2チャンネルで主に用いられている複数の記号を多くの場合は、複数の行に渡って人間の顔や景色などを描写したものである。例えば、以下のものがある。

  ∧_,,∧ 
  (´・ω・`)_。_トポトポ
  /  J つc(__アi!
  しー-J 

★アスキーアート(Wikipedia)

アスキーアート(ASCII Art)は、アスキーコード(ASCII Code)の0x20〜0x7eに含まれる文字、記号によって描かれたアート。テキストアート、文字絵とも呼ばれる。AAと略される事もある。

顔文字とは、日本ではわかん氏によって考案された複数の記号を組み合わせて顔を表現した文字だ。例えば、
(^_^)[笑っている顔]
(;_;)[泣いている顔]
などがある。

★顔文字(Wikipedia)

顔文字(かおもじ)とは、文字や記号を組み合わせて表情を表現したものである。アスキーアートの一種であり、アスキーアートの中でも特に1行で表す事のできるものを指す。パソコンや携帯電話を介してのメール、インターネット掲示板、チャットなどにおいて、文末に添える等の形で用いられる。

ギャル文字とは、日本の女子高生を中心に流行した類似する記号・文字を組み合わせて、本来の文字とは別の読み方をするものである。例えば、
た: ナ=・+=・†ニ・ナニ・十こ・†こ・ナ⊇
ち: 干・千・于
つ: っ・ッ・⊃
などがある。

★ギャル文字(Wikipedia)

ギャル文字(ギャルもじ)とは、携帯電話のメールなどで文字を分解・変形させて文字を表現する遊び・手法、またそれらの文字そのものの呼称。 「へた文字」とも呼ばれる。 変形対象となるのは主にひらがなやカタカナであるが、一部の漢字も偏と旁を分解して表記したり、ラテンアルファベットも変換するなど、その表現は多岐に渡る。

正確には、(1)アスキーアートに(2)顔文字、(3)ギャル文字が含まれるが、ここでは、使用集団を議論する必要があるため、敢えて分けて書く。

(1)は2チャンネルのようなダークサイトにおいて、顕示欲の捌口のような形で、用いられることが多い。しつこく同じものが繰り返して出現することが多い。
(2)は、EメールやSNS,Blogなどで筆者の気持ちを表現するといった、所謂、感情エージェントの役割を果たしている。文では、書ききれないエモーショナル的なものを補足するために使われている。
(3)は、主に女子高生などのギャルの間で、暗号的に使用している。サブカルチャー表意文字の形で使われている。

いずれも使用集団に属していないものにとっては、敷居の高いものである。複雑な構造を持つ場合は、読み上げが困難であり、また、読み書きには一定のリテラシーが必要であるため、ユーザーフレンドリーでなく、アクセシビリティを下げる要因となりうる。そこにサブメディアにおけるデバイが発生しうると考える。