Googleの9つのルール

Good Morning Thinkers!: Google's 9 Rules

Googleでのイノベーションのグル(権威)であるMarissa Mayerさんの講演がスタンフォード大で行われており、その時のビデオが公開されています。(45分)
http://cobb.stanford.edu/courses/msande472/060517-msande472-300.wmv

そのなかで9つのルールというのを述べており、大変参考になります。

Google VP of search products and user experience Marissa Mayer (their innovation guru) gives a presentation on the search engine giant’s nine principles of innovation. These rules are:
1. Ideas come from everywhere
2. Cheer everything you can
3. You're brilliant, we're hiring
4. A license to pursue dreams
5. Innovation, not instant perfection
6. Data is apolitical
7. Creativity loves constraints
8. It's users, not money
9. Don't kill projects, morph them

Web2.0の罠(その3)

前回のエントリでは、データ層が利益の源泉というようなことを書いた。

Web2.0の罠(その2) - β. (Bee’s Blog)

インターネットをビジネスモデルから、以下の3層モデルに分けてみます。
(1) アプリケーション層(Webアプリやブラウザなどで情報をどのように見せるか)
(2) ネットワーク層(ネットワーク構成により情報をどのように運ぶか)
(3) データ層(データをどのように蓄積するか、データからどのように情報を生み出すか)
これまでのWeb2.0は、(1)に重点が置かれて議論されていたが、
実は、(3)もあり、これがパラダイムシフトの重要なキーワードではないか。

ここで、私が(3)に拘っているのは、どんな立派なアプリケーションが有っても、データが無ければだたの箱だからだ。GoogleYouTubeなどデータ層を握っているところは、APIを公開して、データの使用頻度を高め、情報としての価値=利益の源泉を上げていくということだ。

先ほど、やっとGoogle Spreadsheetのinviteが使えるようになったので、使ってみた。
http://hjr.spreadsheets.google.com/

【基本的機能】
データ入力、ソート、計算が、それぞれタブ単位で行うことができるといったレベル。
また、今のところグラフ表示は出来ていないが、将来出来るようになるものと予想される。

【コラボレーション機能】
[ Share this spreadsheet ]という文字列をクリックすると[Invite people to Edit]・[Invite people to View]の欄が出てきてE-mailのアドレスを入れることで、共有が可能になるようだ。チャットしながらスケジュールを決めたりすることが出来そうだ。

【データ入力】
今のところ、データ入力は、クライアント側のファイルしかインポート対象になっていないが、インターネットのあちこちに転がっているデータも対象にするようになったら、凄いことになると思う。

【他サービスとの連携】
現在の所、他サービスとの連携は出来ないようだが、 Windowsで言うOLE【Object Linking and Embedding】のような機能は、Webアプリで容易に実装可能であると思うし、APIを提供すれば、サードベンダが色々なサービスを創り出すことも可能になると思う。
OLEとは|Object Linking and Embedding − 意味 / 定義 / 解説 / 説明 : IT用語辞典

中島聡さんも同じことを考えていたようだ。

http://blog.japan.cnet.com/nakajima/archives/002888.html

ウェブ上にあるリアルタイム・データ(例えば株価情報だとか、商品の実売価格だとか、電車の運賃だとか)を簡単に利用すれば、簡単に「自分の持っている株の時価」だとか、「日本一周に必要な電車賃の現在価格」などを計算することが出来るようになる(ちなみに、Google表計算サービスはまだ公開されていないので、これはあくまで「私がGoogleにいたとしたらこう作る」という話でしかないが、十中八九あたっているだろう)。

このアプリ自体が凄いことなのではなく、インターネットという巨大なリソースを自由自在に扱えるインターフェース・ビジネスモデルが凄いのだ。しかし、(1)アプリケーション層でのビジネスより、(3)データ層でのビジネスの方が、根っこを抑えているため、そちらの方へ目がいってしまう。

梅田さん風に言えば(笑)、全てをあちら側でデータをリンク・計算・編集することが可能になる。しかも、無料で出来るため、チープ革命(Cheap Revolution)が進むことになりそうですね。

マイクロソフトさん、やばくないですかね?対抗して、限定条件の下で(笑)ネット上で出来るアプリケーションサービスが出てくるような気がします。

Google Spreadsheetについては、以下のエントリが詳しいです。
「Google Spreadsheet」速攻レビュー - GIGAZINE

残念ながらというか当然というか、グラフ作成機能などはありません。本当に基本的な機能しかないので、どちらかというとCSVファイルを扱うのに特化した表計算ソフトのような印象を受けます。完全にExcelの代替となるわけではありませんが、数値入力程度であれば十分実用に耐えそうです。どこまでセル入力が可能なのか、巨大ファイルの扱いはどうなるのか分かりませんが……

[N] オンラインで表計算「Google Spreadsheet」

MicrosoftExcelのオンライン版とか提供するようになるんでしょうか。標準的なユーザであれば「Google Spreadsheet」で十分になってしまうかもしれませんね。ストレージもオンラインにある訳だし。

対応しているブラウザはInternet ExplorerIE)6またはFirefox 1.07以上ということで、Safariがありませんね‥‥。Firefoxを使った方が便利かな‥‥。

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以上のエントリを書いた後で、中島聡さんの前のエントリに気が付いた。
http://blog.japan.cnet.com/nakajima/archives/002886.html経由で、Life is beautiful: CTIA2006: IMSの本当の狙いのエントリが目にとまった。

 IMS関連の資料を丁寧に読むと、IMSの目指す本当の目的は、メッセンジャーだとかVoIPなどのようなサービスを通信事業者のサービスとして提供してしまおう、という所にあることが見えてくる。通信事業者にとっては、「ただのインターネットへの接続事業(dump pipe)」になりさがり、一番おいしい所を Yahoo、AOL、MicrosoftSkype に持っていかれることだけはなんとしてでも避けなければならない。そこで、「ネットワークへの接続」というレイヤーと「サービスの提供」というレイヤーを、通信事業者の持つ「通信品質」、「従来の電話網との接続」などの強みを生かして切っても切れないものにしてしまおう、という業界を挙げての大作戦の核になるのがIMSなのである。

(2)のネットワーク層の業者においても、アプリケーション層との融合がテーマになっているようである。

話が、それるが、最近ネット中立性(Net Neutrality)がホットな話題になっているが、どうも複数の層に跨ったビジネスを視野に入れたものであるような気がする。

ただのデータベース屋、ネットワーク屋、アプリケーション屋という時代は終焉を迎え、複数の層に跨った垂直構造のビジネスモデルがWeb2.0時代で生き残っていくすべではないだろうか?

Web2.0の罠(その2)

私のWeb2.0に対する個人的見解は、以下の通りと考えています。

Web2.0は、工業社会からの情報社会への変遷の過渡にある現象の1つである。
しかし、情報社会が名実共に確率した場合、Web2.0は意味あるモノとして基幹技術となる。
ただし、過渡期にある現在は、一部のヘビーユーザやヘビー企業の自己満足のためのおもちゃにすぎない。
価値の重点が、物・サービスから、情報へ移った時点でパラダイムシフトが生じ、
初めて情報社会が成立するのではないか。
少なくとも、現時点では、情報に価値を置く者、置かない者が分かれる現時点では、
とらえどころが無くて曖昧であやふやで不安定なものでしょう。

このパラダイムシフトがどこから生じるのかということを考えてみたいと思います。

インターネットをビジネスモデルから、以下の3層モデルに分けてみます。

(1) アプリケーション層(Webアプリやブラウザなどで情報をどのように見せるか)
(2) ネットワーク層(ネットワーク構成により情報をどのように運ぶか)
(3) データ層(データをどのように蓄積するか、データからどのように情報を生み出すか)

これまでのWeb2.0は、(1)に重点が置かれて議論されていたが、
実は、(3)もあり、これがパラダイムシフトの重要なキーワードではないか。

前回のエントリ
Web2.0の罠 - β. (Bee’s Blog)
では、
GoogleなどのWeb2.0企業は、矢継ぎ早に先端技術を開発し、新しいサービスを提供しており、
(1)のアプリケーション層ばかりに、目がいってしまいがちだが、実は、重要なのは、
(3)のデータ層であり、この錯覚に陥ってしまう点が罠だと言いたかったのです。

./では、以下のような興味深いエントリがあり、私の考えていることとかなり近いことが、
書かれていたので、引用したい。

なぜ、YouTubeMySpaceGoogleなどWeb2.0が巨大なリソースを導入してサービスを
提供し続けるのか、その答えは、データ・情報・マーケッティングにあるということを示唆している。

Why Web 2.0 Will End Your Privacy - Slashdot

When marketeers know who your friends are and what you are all into, it makes their advertising a lot more effective. From the article: "Why are the companies worth so much money? Why is MySpace worth over half a billion dollars without a proper revenue model? Why is Digg allegedly pitched at over $20m (at the last count) without any idea of where money is going to be pulled from? The answer is - data. Information. Marketing. Every detail about you and me. That is where the money is.

データを集め、そこからイノベーションにより、価値ある情報をどのように生み出していくのかが、
Web2.0を成長させる大きなカギではないでしょうか。

利益の源泉は、アプリケーションにあるのではなく、データにあると言うことを気を付ければ、
Web2.0バズワードに留まることなく、ビジネスとして確立するのではないでしょうか。

ただし、データから価値ある情報を生み出すことが出来なかったら、Web2.0バブルとなる可能性が
大いにあると考えています。

また、Web2.0には副作用があり、

(1)情報のコントロール権のユーザ側への転移
(2)プライバシーの損失
(3)セキュリティの低下

という問題点をどのようにクリアしていくかが、カギであると考えています。

大元の文章は、以下のURLにあり、一読されることをお勧めします。
Why Web 2.0 will end your privacy | bit-tech.net

Web2.0の罠

最近、Web2.0がトレンディになっているけど、方法論ばかりに走っているような気がする。
情報の価値はどこにあるのかといった、本質的な部分をおざなりにした議論が目立っている
ような気がする。

  • Mashupなどの連携により、情報のつながりを増やす
  • 情報の表現方法を工夫し、AttentionやFindabilityを向上させる
  • 情報をオープン化し、情報の活用例を増やす

こういったケースが最近増えているが、本当にそれは、情報の価値を高めることにつながるのだろうか?
言い換えれば、ビジネス性を失うことになっていないのだろうか?

連携することで、情報の活用例が増えることは、本当に情報の価値を高めることになるだろうか?
今ある情報の精度を高めたりする相乗効果などは期待できるのだろうか?

情報の表現方法を変更することで、今ある情報の意味がより深いモノとなるだろうか?

オープンにすることは、逆に言えば、情報のQualityを保持するコストが高くなる。
また、Webプラットフォームは、仕様を共通・標準化することが多いため、コモディティされやすい。
(というよりは、それが前提となっている)
本当にそれに見合ったリターンが入ってくるのだろうか?

Web2.0は、ユーザ側にとって、利便性を向上させるメリットがあるが、プロバイダ側としては、
どうなのか?ビジネスとしての情報価値が失われる結果になっていないか?

Web2.0のキーワードにだまされては、いけない。本質的に何が価値を高めることが出来るのか、
よくよく考えた上で議論されてみてはいかがでしょうか?

ビジネスとCGM

★これからはオープンソースからオープンサービスの時代へ〜サン(@IT)
ソフトウェアビジネスが、プロダクトからサービスへとシフトしていることは、良く言われていることなんですが、「オープンサービス」というキーワードに惹かれた。
これからは、ソースコードだけでなく、情報やプロセスも共有する時代ということでしょうか。この1つのツールとして、BlogやSNSがあるようです。これからは、BlogやSNSを使ってどのように顧客と対話していくか考えていかなければならないように思います。

パパドポラス氏は、「大きく分けて2つのことを話したい。1つ目はサンの昨今の状況について、2つ目はITの主な潮流として“ソフトウェアをサービスとしてとらえることが重要である”という点だ」と前置きした。まず、現在の同社は「パートナーに依存する度合いが強い。サンは革新を広めることを重要視しており、これはコミュニティ形成によって飛躍的な速度で広がっている」と説明。さらに「現在、確実に転換期にきている。コンシューマではブログの登場によって、情報を入手するだけの時代から参加する時代へ確実に変化した」と強調した。この傾向はエンタープライズ分野でも同様で、コラボレーションや情報共有といった分野で参加型のサービスが増加しているとした。

ここで思い浮かんだのが、次のエントリ中の神田氏の発言。

★ “Web 2.0”の導入、従来メディアは「恐る恐る」

情報の重心がこちら側(企業)からあちら側(顧客)へと移りつつあり、現在はCGMというものに、注目が行っているが、このCGMを企業活動とどのように結び付けていくかが重要であるように感じました。

日本ブログ協会設立

総務省は2/28にブログの普及促進を目標として「日本ブログ協会」を設立したそうです。

http://biz.ascii24.com/biz/news/article/2006/02/28/660824-000.html

総務省は28日、ブログの普及促進のために“日本ブログ協会”を同日付けで設立したと発表した。活動期間は2007年3月末まで。

日本ブログ協会”は、これまで総務省が取り組んできた活動を発展/拡充させ、ブログに関する啓蒙/表彰/研究/調査/交流/支援/提言などにより、ブログの普及促進を図るために設立したもの。当面、会長などの役員はおかず、(財)マルチメディア振興センターが事務局となる。

主な活動は、啓蒙ではブログに関する講演会やシンポジウムの開催など、表彰ではビジネスブログの優秀事例の表彰など、研究ではブログの役割/市場動向/将来予測などの理論的分析など、調査では意識/利用動向アンケートの実施/集計/公表など、交流ではブログ関連団体などとの総合リンクサイトの構築など、支援ではブログに関する相談や情報提供など、提言ではブログサービス提供事業者などに対する提言など。

入会に際して特別な資格は不要で、個人で自由に入会できる。参加費は無料。入会申し込みはウェブサイトで行なえる。

入会申し込みはこちら↓
http://www.fmmc.or.jp/japan-blog/index.html

早速申し込みちゃいました。